1. ふくラボ!トップページ
  2. ふくしまのいいものがみつかるオンラインマルシェ「ふくまる」
  3. FEATURE 株式会社 宗|ふくしまのいいものがみつかるオンラインマルシェ「ふくまる」
株式会社 宗
イメージ画像

一度食べ出すと止まらない
ごぼ~のチップス

最近、お気に入りのおやつがある。株式会社 宗のつくる「ごぼ~のチップス」だ。
このチップスは、食感がとてもいい。カリッと軽い歯ごたえで、噛むとごぼうの香りもしっかり感じる。あっさり塩と、クセになるガーリック味、どちらも丁度いい味加減。仕事合間のおやつに、夜はお酒のおつまみにと、軽く食べられるのでついつい手を伸ばしてしまう。
ごぼうは繊維がしっかりしているイメージがあったが、このチップスはどうしてこんなに軽い食感なんだろう…?ごぼ~のチップスの加工所で、サクッと食感のひみつを探ってきた。

イメージ画像

手間暇かけてすべて手作り

ごぼ~のチップスの加工所があるのは、福島県石川郡平田村。中通り東部に位置するこの村は、芝桜やあじさいの名所として知られる他、さまざまな激辛グルメを味わえる「日本一辛い村」としても有名だ。
加工所の中に足を踏み入れると、奥から「ドンドンドン」と一定のリズムで音が聞こえてくる。中を覗くと、数人の女性たちが作業をしている。ごぼ~のチップスをつくる、平田の母ちゃんたちだ。ごぼ~のチップスは、皮むきから袋詰めまで、母ちゃんたちが手間暇をかけてすべて手作りしている。できあがるまでの工程を見せてもらった。

イメージ画像

たくさんの工程を踏む
こだわりの製法

ごぼ~のチップスの生産工程は、とても多い。洗浄、皮むき、アク抜き(一晩)、湯がき、成形、叩き、二度揚げ、味つけ…と、かなりの手間暇をかけて完成する。
火にかけられた大きな鍋を覗くと、鍋いっぱいのごぼうがぐつぐつと煮えている。泥を落としてカットされ、アク抜きが終わったごぼうは、一度鍋で湯がかれる。
カリッと食感のひみつのひとつ、「湯がき」だ。ごぼうを湯がくことで、さらにアクが抜け、身も柔らかくなる。次の工程のためにも、重要なポイントなんだそうだ。

イメージ画像

ごぼうは叩けばうまくなる

作業台で母ちゃんたちが、ドンドンドンとごぼうを叩いている。加工所の入口で聞こえたのは、この叩く音だった。
ごぼうを叩いて叩いて、繊維を壊す。これがふたつめのカリッと食感のひみつ「叩き」だ。こうすることでごぼうの香りを残しながらも、カリッと食べやすい食感に仕上がる。「ごぼうは叩けばうまくなる」が、株式会社 宗のコンセプトだ。
加工所では、1日60kg、多い時で120kgのごぼうを使用する。その量を、母ちゃんたちがひとつひとつ丁寧に、成形と叩きを行っていく。手間暇とは、まさにこのことだろう。

イメージ画像

二度揚げでカリッと

最後のひみつは、「二度揚げ」だ。叩いたごぼうはデンプンをまぶされ、フライヤーに投入。低温の油でじっくりと二度揚げされる。ジュワジュワと良い音を立てながら、カリッと食感のチップスに揚がっていく。おいしそうな色味と香ばしい匂いが合わさって、思わずゴクリと喉が鳴ってしまった…。揚げ終わったら熱を取り、味付けをして梱包すれば完成だ。
これまで、株式会社 宗といえば、地元では“薪ストーブを販売する会社”というイメージが強かった。なぜごぼ~のチップスをつくることになったのだろう? 食品事業をスタートすることになったきっかけを聞いてみた。

イメージ画像

母ちゃんたちの味と地元雇用を守る

元々ごぼうチップスは、加工組合の母ちゃんたち3人で村の施設を借り、製造を行っていた。しかし、施設の利用が難しくなったこと、平均年齢が70歳と高齢であったことから、継続を断念せざる負えない状況にあり、廃業の危機に直面した。そんな時、農業を通じて親交のあった株式会社 宗に相談があった。
徐々に地域の名産品になりつつあった商品をなくしたくない、地元の雇用を守りたい。そんな想いから、株式会社 宗で加工所を新設し、加工組合の3人の母ちゃんたちと、新たに従業員5名を雇用した。
こうして、2017年10月に新たに食品事業をスタートした。

イメージ画像

平田村の名産品に

株式会社 宗の加工所は、スタートから今年で5年を迎える。県内各地にも徐々に販路を広げ、「ごぼ~のチップス」は道の駅ひらたで売上No.1商品に。そして、2018年に「ふくしま満天堂プレミアム2017」、2020年にはごぼうの蒲焼(甘味)が「ふくしま満天堂プレミアム2020」を受賞。少しずつ知名度を上げ、平田村の名産品になっていった。
現在は近隣地域の契約農家3軒にごぼうの栽培を委託するなど、地元産の素材へのこだわりを強めている他、新商品の開発も進めているそうだ。どんな商品ができあがるのか、完成が楽しみだ。

マップ

平田村に来たら、
ぜひ暖らんのひと時を

加工所のすぐそばに、株式会社 宗が運営する薪ストーブショールーム&カフェ「暖らん 」がある。ここではドリンクや軽食の他、最近では焼きたてパンの販売も始まった。店内には大きな薪ストーブがあり、寒い時期はストーブで暖まりながら、ゆったり過ごすことができる。
もちろん、店内ではごぼ~のチップスやごぼうの蒲焼、マコモダケ入り餃子など、加工所の商品も購入することができる。平田村を訪れることがあれば、ぜひ立ち寄ってみて欲しい。

イメージ画像

株式会社 宗

福島県石川郡平田村
上蓬田字銭神88番地
0247-55-3530

HPを見るhttps://sou-l.jp/