会津若松市にあるパティスリー白亜館の洋菓子には、派手さがありません。でも、ひと口食べる毎に広がる奥深い味わいには、見た目のイメージを吹き飛ばすおいしさがあります。パティシエも思わずニヤリとする伝統欧風洋菓子を取材してきました。

ワイン煮されたイチジクは、ツブツブの種の歯触りと濃厚な甘さが特徴。加熱することで、甘味が増したイチジクの奥から漂う、アーモンド香るクレチムダマンドの奥深い味わいは、たまりません。ひと口食べては広がる幸福感。またひと口を誘う残り香は、無駄なものを一切そぎ落として作られた伝統洋菓子のなせる業かもしれません。材料を大事に、素材をきちんと扱うことで生まれる洋菓子には、また食べたいと思わせる凄味がありました。

珈琲や紅茶との相性も抜群です。どうぞご一緒にお楽しみください。（取材：ブー子）